美髪を目指すとき、まず気になるのが「シャンプーの成分」です。
なかでもよく耳にするのが「アミノ酸」
アミノ酸は、髪・肌・筋肉など身体をつくる「基本素材成分」
そのため「生命のもと」とも呼ばれています。
優しい成分の一つです。
そのアミノ酸をベースにした洗浄成分が使われているのが、
「アミノ酸系シャンプー」です。
優しく洗えて、頭皮を守りながら美髪を育てる土台づくりができるのが特徴です。
しかし、「優しく洗える」というメリットの裏には、
「泡立ちの悪さ」や「洗浄力の弱さ」といった誤解も存在します。
この記事では、アミノ酸とアミノ酸系シャンプーの基礎知識から、メリット・デメリットを解説します。
アミノ酸系シャンプーとは

「体を作る材料」「構造を作る成分」の
アミノ酸からできたアミノ酸系シャンプーはとても魅力的です。
髪や肌をつくるタンパク質のもと
のアミノ酸を
そのやさしさを洗浄成分に応用したのが「アミノ酸系シャンプー」です。
毎日使うことで、頭皮を守りながら美髪を育てる“原点”のようなケアができます。
人間の肌や髪と同じアミノ酸が主成分なので、非常にマイルドに洗い上げます。
「なぜ髪に優しいのか?」の答えです。

アミノ酸は髪そのものの材料。
だからこそ、
頭皮や髪に対して親和性が高く、刺激や負担を与えにくい成分と言えます。
弱酸性で肌のバリア機能を守り、必要な油分を残しながら洗えるため、敏感な頭皮や乾燥しやすい髪にも適しています。
アミノ酸系シャンプーの「やさしさの源」でもあり、髪や頭皮、肌の健康に深く関係しています。
髪と同じ「素材をベースにした洗浄」という点が、アミノ酸系シャンプーが[優しい]と言われる最大の理由です。
アミノ酸系界面活性剤
シャンプーで耳にする「アミノ酸」とは、多くの場合「アミノ酸系界面活性剤」
を指します。
【界面活性剤とは】
水と油(皮脂汚れ)を混ぜ合わせる(乳化・分散させる)役割を持つ成分で
なじませて洗い流すための洗浄成分のこと。
【アミノ酸系界面活性剤とは】
アミノ酸をベースに、
油となじむ性質(親油性)を付与した
低刺激・マイルドな洗浄成分洗浄成分です。
アミノ酸そのものではなく、
アミノ酸を原料に化学的に加工した洗浄剤成分のことです。
【アミノ酸系とは】
シャンプーの主成分である
「洗浄成分(界面活性剤)」がアミノ酸から作られていることです。
【アミノ酸系シャンプーの「系」とは】
アミノ酸由来の洗浄成分(界面活性剤)を使っているという意味です。
アミノ酸 /アミノ酸系界面活性剤/アミノ酸系シャンプー の違い

アミノ酸系シャンプーを理解するうえで、
この3つの関係は「素材 → 部品 → 製品」と考えると分かりやすいです。
【素材】アミノ酸 … 髪や肌の「材料」
【部品】アミノ酸系界面活性剤 … アミノ酸をベースにした「洗浄成分」
【製品】アミノ酸系シャンプー … その洗浄成分を使った「シャンプー製品」
「髪の素材と同じ系統の成分で洗う」
→ 「 頭皮・髪にやさしい」
→「アミノ酸系が支持される」
洗浄成分のベースがアミノ酸由来であるということを示しています。
1アミノ酸
・定義・特徴はタンパク質を作る最小単位の成分。髪や肌の保湿成分でもあります。
・シャンプーでの位置づけは、保湿成分・補修成分。 基礎成分(物質そのもの)
2アミノ酸系界面活性剤
・定義・特徴は、アミノ酸から作られた洗浄成分。
アミノ酸を原料にして作られた洗浄成分(界面活性剤)のこと。
肌や髪に優しく、低刺激なのが特徴です。
・シャンプーでの位置づけは、洗浄の主成分。シャンプーの主要成分(機能性成分)です。
3アミノ酸系シャンプー
・定義・特徴は、アミノ酸系界面活性剤を使ったシャンプー。
アミノ酸系界面活性剤を配合したシャンプー製品全体の呼称。
低刺激でマイルドな洗浄力が売りです。
・シャンプーでの位置づけは、製品カテゴリー。製品全体(最終商品)
アミノ酸とは
アミノ酸とは?
「アミノ酸は体を作る基本の材料。髪や肌、筋肉を育む生命のもと」
人の体を作る三大栄養素(タンパク質・脂肪・炭水化物)のタンパク質は 多数のアミノ酸が結合したものです。
タンパク質をつくる最小単位の成分のアミノ酸は
人の体や髪、肌、筋肉、爪などのもと「人の体を作る基本素材」になります。
髪の毛は約80〜90%が「ケラチン」というタンパク質で構成されています。
髪の主成分である ケラチン もアミノ酸が結合してできています。
つまり、アミノ酸は「髪の毛そのもの」と同じ成分だということです。
頭皮と髪に非常に「マイルド」であり親和性が高い最大の理由です。

アミノ酸の界面活性剤以外の役割
界面活性剤としてのアミノ酸系はよく知られていますが、
アミノ酸は髪と頭皮を守る「美容成分」としても活躍しています。
1. 保湿成分
肌と髪の天然保湿成分(NMF)の約半分がアミノ酸。
水分を抱え込み、乾燥やパサつきを防ぎます。
例:グリシン、セリン、プロリン、アルギニンなど。
2. 補修・保護成分
髪はタンパク質=アミノ酸の集合体。
ダメージ部分に吸着し、一時的な補修と保護をします。
「穴埋め&コーティング」のイメージです。
例:加水分解ケラチン/加水分解コラーゲン/ペリセア
【アミノ酸そのものは少量配合】
アミノ酸(保湿・補修目的)は、
たとえば・グリシン
・セリン
・アルギニン
・リシン
・システイン
などが配合されますが、これらは「補助的」な役割。
基本的にサブ成分で、配合量は微量(多くは1%以下)です。
つまり
という構成になっています。
「アミノ酸=洗う成分」と思われがちですが、
本来のアミノ酸は髪や肌のうるおいをつくる成分。
シャンプーでは“アミノ酸をもとに作った洗浄成分”が主役ですが
他でもアミノ酸はサポート役としてひっそり働いています。
アミノ酸系シャンプーのメリット
メリット① 頭皮への刺激が少ない(敏感肌・乾燥肌に最適)
- 必要な皮脂は残しつつ、不要な汚れだけを落とすため、頭皮のバリア機能を守ります。
- カサつき、かゆみ、フケの予防にも繋がります。
- 低刺激で敏感肌や子どもにも使いやすい。
メリット② 髪のダメージを防ぎ、しっとりまとまる
- 洗浄力が強すぎないため、カラーやパーマの持ちを良くし、キューティクルを保護します。
- 洗い上がりがしっとりするため、パサつきやすい髪やくせ毛にもおすすめです。
- タンパク質の補修をサポート。
メリット③ 髪と頭皮の乾燥を防ぐ「保湿力」
- 洗浄しながらアミノ酸が髪の内部に浸透し、髪の水分を保持する手助けをします。
- エイジングケア。頭皮環境を整え、ハリコシ低下を防ぐ
アミノ酸系シャンプーのデメリットと注意点
いいことばかりのアミノ酸もデメリットはあります。
アミノ酸系界面活性剤のデメリットを見ていきましょう。
デメリット
1 価格が高め
原料コストが高いため、一般的に価格帯も上がります。
2 洗浄力はマイルド
スタイリング剤を多く使う日は落ちにくさを感じる場合があります。
「二度洗い」や「流し強化」が必要になる場合があります。
3 成分が髪や頭皮に残留しやすい(吸着しやすい)傾向があります。
すべての「アミノ酸系」が同じ残留性を持つわけではありません。
【残留は】
言い換えるとメリットにもなります。
注意点
アミノ酸=髪が治る
これは、アミノ酸にかぎったことではありませんが、
成分のいいものには、自然と期待値が高くなります。
【よくある誤解】
体の再生 と 髪の再生の違い
髪は「素材を整えて綺麗に維持する」ものです。
「体」の再生や修復と同じではないこと。
アミノ酸系は、正しく使えば「髪と頭皮に優しい」優秀な選択肢です。
自分の髪質・スタイリング、生活習慣に合わせて上手に活用しましょう。

髪は自己修復能力がほとんどないよ。
良くなっても、治療(ヘアケア)をやめると元に戻っていくよ。
効果を引き出す使い方(対策編)

アミノ酸系は洗浄力がマイルドな分、
泡立ちにくい・残留しやすいと感じる場合があります。
これらはデメリットではなく、
正しい使い方が必要なだけです。
対策として2度洗いなど勧める場合もありますが、
毎日と考えると「流し強化」をおすすめします。
この対策を解説していきます。
【理由と対策】
理由
毎日2度洗いの習慣をつけてしまうと頭皮負担や乾燥を招く場合があります。
2つの対策
1「予洗い」と「すすぎ」つまり【流し】を強化すること。
2ケア剤、スタイリング剤を見直すこと。
1・「予洗い」と「すすぎ」つまり【流し】を強化
【予洗い】
手順→シャンプーをつける前に、頭皮全体をしっかり流します。
目的と効果→ 汚れの6〜8割はここで落ちます。
シャンプーの泡立ちが良くなり、頭皮負担も減ります。
【すすぎ】
手順→シャンプー後の泡を流す際、根元を中心にしっかり洗い流します。
目的と効果→デメリットで触れた「残留性」を解消し、ヌルつきやベタつきを防ぎます。
【具体的な時間】
(予洗い)(すすぎ)の【流し】は
しっかりです。
2分前後をおすすめします。
長さや汚れの度合いで時間では計れないのが現実です。
時間はロングの方はそれ以上に、ショートの方はそれ以下にもなります。

時間はあくまでも、目安だよ。
髪の状態、長さ、量で変わるよ。
汚れを浮き上がらせて流すを意識して。
【時には】
二度洗いの対策も効果的な場面もあります。
毎日行う習慣を避ければこのような場合は二度洗いで対応しましょう。
・スタイリング剤をたっぷり使った日
・特に汚れがひどい日(汗・皮脂が多い日)
【流しの質】
美髪ケアの基礎
「優しく」「丁寧」「しっかり」
「優しく・丁寧に・しっかりと流せる人」が美髪に近づきます。

美髪で大切な【優しく】【丁寧】【しっかり】が大切。
流し(予洗い、すすぎ)でも、重要になるよ。
2・ケア剤、スタイリング剤を見直し
- シャンプーで落としにくい成分が多すぎる場合、アミノ酸系シャンプーでは限界があります。
- 使用するケア剤やスタイリング剤の使用量を減らしたり、シャンプーと相性の良い製品に変更することも重要な対策となります。
商品との相性があってないことも考えに入れておくのは、ベストなことです。
どんなにいい物でも肌や髪に触れるものは常に考えに入れることです。
商品と成分と人には「相性」があります。
高品質=万能ではありません。
髪や頭皮環境とライフスタイル
に合うものを選びましょう。
他のシャンプーとの比較
シャンプーの代表的な3種類を
比べてみましょう。
アミノ酸系が、優しいかを明確にします。

まとめ
アミノ酸は、髪・肌・体をつくる
「大切な素材」。
だからこそ、アミノ酸系シャンプーは
やさしさと美髪力を兼ね備えています。
アミノ酸系シャンプーの良さを引き出すのは、シャンプーそのものの力だけではありません。
やさしい成分だからこそ
使い方が美髪の分かれ道。
予洗いとすすぎの「流し」を丁寧にすることで
髪と頭皮に良い環境が整い、アミノ酸系シャンプーの魅力を引き出します。
「流し強化」で「残留の問題」
の改善にも期待できます。
使用するケア剤の商品自体の見直しと、
使用する「量」を見直すことも、
美髪へのカギとなります。
アミノ酸の力は「やさしく育てるケア」で最大化します。
その良さを引き出すことが、髪と肌の美しさを引き出すことに繋がります。










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